糖尿病に対する早期治療の重要性

糖尿病に対する早期治療の重要性

糖尿病に対する早期治療

糖尿病に対する早期治療

糖尿病の治療目標は、合併症を防ぎ、その結果として患者の生活の質を保ち、健康で長生きしていただくことです。もちろん、糖尿病の発症そのものを無くすことができれば、糖尿病合併症はなくなり理想的なのですが、現時点では難しい課題と言えます。

よって、糖尿病患者の合併症の発症を予防し、進展を抑制し、さらにはその改善を目指すことが必要となってきます。近年の様々な臨床研究の結果から分かったことは、早期からの糖尿病治療、特に厳格な血糖コントロールが合併症の進展にきわめて重要であるという事実です。しかしながら、若年患者では未治療や治療中断の割合が高く、治療を受けとる場合でもその血糖コントロールは極めて悪いのが現状です。糖尿病内科ではこの現状を踏まえたうえで、あらためて早期治療の重要性について強調します。

どうすれば早期からの治療継続が可能か、また、治療手段のオプションにはどのようなものが考えられるのか。個別化アプローチの実践に関して考えてみたいと思います。一人の患者を前にして、いくつの適切な治療オプションを提示できるかどうかはその後の治療経過を強く左右するでしょう。言うまでもありませんが、1型糖尿病患者で行われたDCCTの終了後の経過観察スタディのEDICや、有名なUKPDS80、2型糖尿病患者で行われた集学的治療のSteno studyの経過観察スタディなどからも、治療初期の厳格な血糖管理が重要であると言われています。いわゆる”legacy effect(遺産効果)”です。

人生いろいろ、患者もいろいろ、治療法もいろいろですが、早期から糖尿病を継続的に治療すれば必ず報われます。

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