アフリカ系アメリカ人患者における非アルコール性脂肪肝炎の臨床的および組織学的特徴

アフリカ系アメリカ人患者における非アルコール性脂肪肝炎の臨床的および組織学的特徴

Clinical and Histologic Characterization of Nonalcoholic Steatohepatitis in African American Patients
Diabetes Care 2018 Jan; 41(1): 187-192.

2型糖尿病

2型糖尿病

目的

アフリカ系アメリカ人が非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の発症から保護されているという医師の間では、広く誤解されている。しかし、よく一致した白人に対する正式な組織学的および代謝的比較は決して実施されていない。

方法

アフリカ系米国人患者67人は、年齢、性別、BMI、ヘモグロビンA1c、2型糖尿病の有病率について、白人(n=134)と2:1で一致した。 NASHのスクリーニングには、プロトンMRS(1H-MRS)による肝内トリグリセリド含量の測定、続いて肝臓脂肪症の場合の肝生検が含まれた。インスリン抵抗性は、松田指数を用いた経口糖負荷試験中に推定された。

結果

白人と比較して、アフリカ系アメリカ人の患者は肝内トリグリセリド含量(平均±SD 6.1±6.8%対9.4±7.5%、P=0.007)および非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)の存在はあまり一般的ではなかった(25.0% 51.9%、P=0.003)。しかし、NASHの有病率は、NAFLD患者の民族間で差はなかった(57.1%対73.3%、P=0.12)。さらに、個々の組織学的パラメーター(炎症、バルーニング、および線維症)のそれぞれにおいて同様の重症度を示した。 NAFLD患者では、インスリン抵抗性は両群間で類似していた(松田指数:3.3±1.8対3.1±1.9、P=0.61;脂肪組織インスリン抵抗性[Adipo-IR]指数:5.7±4.6対6.4±4.7mmol指数:4.9±3.6対7.0±4.9、P=0.11; Adipo-IR:3.9±2.8対NFLD無しの白人患者と比較して悪化していた2.7±2.3mmol/L・μU/ mL、P=0.06)。アフリカ系アメリカ人の患者はまた、肝臓中のトリグリセリドの重篤度とは無関係に、血漿トリグリセリドおよびHDLコレステロールが低かった。

結論

アフリカ系アメリカ人は肝内トリグリセリドの蓄積が少ないが、NAFLDが発症すると、白人患者の場合と同様にNASHが頻繁に起こり、重症になる。したがって、NAFLDを有するアフリカ系アメリカ人は、白人患者と同じ程度の臨床的解決を伴って、NASHについてスクリーニングされるべきである。

糖尿病内科においても、NASH、NAFLDに対する評価と介入が必要である。

コメント