イプラグリフロジンは2型糖尿病患者の脂肪肝を改善する

イプラグリフロジンは2型糖尿病患者の脂肪肝指数を改善する

脂肪肝

脂肪肝

Amelioration of fatty liver index in patients with type 2 diabetes on ipragliflozin: an association with glucose-lowering effects.

Endocr J. 2017 Mar 31;64(3):363-367.

本研究では、2型糖尿病患者の脂肪肝に対するイプラグリフロジンの改善効果を検討した。脂肪肝の改善に影響を与えた要因についても検討した。分析には、我々の前向き観察研究から得られた2型糖尿病患者21人のデータが含まれていた。患者のインフォームドコンセントを得た後、1日1回イプラグリフロジン(50mg /日)を16週間投与した。いくつかの臨床的パラメーターに加えて、体組成もまた16週間の処置の前後で比較した。脂肪肝の程度は、脂肪肝指数(FLI)を用いて推定した。16週間後、FLIは空腹時血漿グルコース(FPG)、HbA1c、体重、内臓脂肪組織(VAT)、皮下脂肪組織(SAT)のレベルと同様に、70.1±19.4から60.3±25.5(p = 0.0009))および脂肪量である。イプラグリフロジン治療で観察されたFLI変化に影響を及ぼす要因を明らかにするために、FLIの変化といくつかの他の測定パラメータとの間の相関を調べた。 FPG(相関係数= 0.4683、p = 0.0323)およびHbA1c(相関係数= 0.4383、p = 0.0469)の変化は、FLIの変化と有意な正の相関を示した。一方、体重、VAT、SAT、脂肪量ともにFLIの変化の相関は認められなかった。結論として、イプラグリフロジンは2型糖尿病の日本人患者でFLIを改善した。 FLIの改善は、耐糖能異常の改善と関連していた。

非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)は、洋の東西を問わず慢性肝疾患の最も一般的な原因の1つである[1,2]。 NAFLDおよび2型糖尿病はしばしば共存し、肥満、インスリン抵抗性などの病因を共有する。実際、NAFLDは2型糖尿病の患者の間で非常に一般的である(49.6〜74%)[3]。さらに、2型糖尿病の存在は、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の発症だけでなく、NAFLD患者における肝硬変および肝細胞癌の発症の危険因子でもある[4,5]。

脂肪肝の程度は、BMI、胴囲(WC、cm)、γ-グルタミルトランスフェラーゼ(GGT、IU / L)およびトリグリセリド(TG、mg / dL)を含む脂肪肝指数(FLI) [14]。この指数は、以下の等式を用いて計算された

FLI = {(0.953 * log(TG)+ 0.139 * BMI + 0.718 * log(GGT)+ 0.053 * WC- 15.745)/ 1 + exp(0.953 * log + 0.139 * BMI + 0.718 * log(GGT)+ 0.053 * WC – 15.745)} * 100

肝臓脂肪症を除外するためにFLI <30を使用することができるので[15]、FLI <30を有する患者を分析で除外した。結果は、16週間の治療前後のFLIの変化であった.FLIの変化に影響を与える一連の要因を調べた。

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